過去にうつ病であった主人公リョータは精神疾患患者のカウンセリングに参加し、そこでタクミと出会う。二人は喋っているうちに神楽坂にたどり着く。ーーまっすぐと中心を通るこの坂は先が見えない。横に伸びる小さな横道の数は無数ーー大きな坂をまるで人生のように例え話を始め、狭くて入り組んでいる小道を見ながらおもむろに自分の大学生時代を語り始めるリョータ。そして徐々に彼の過去に何があったのかが明かされていく。